一番大事なこと

クリスマスローズ

2006年11月06日 22:24

介護で一番大事なことって何だろう?
これって子育てや夫婦の間のことでも同じだと思います。
それは相手がして欲しいことをしてあげることかな。
姑のMさんは寝るときおしもがかゆいので見て欲しいとよく言います。
かゆいっていってもさっきオムツの中を見たけどピカピカにきれいでしたし、
それから5分もたっていないのに。
今日はディサービスで入浴もしたでしょ、、、

Mさんが寝るまでに私は車椅子からベットに移してパジャマに着替えさせて、オムツを点検して褥瘡防止に枕をお尻にあてがってお布団をかけてああこれでやっとゆっくり自分の時間をすごせるーとほっとしたすぐあとの「おかあさーん(どういうわけか眠くなるとMさんはよく私をおかあさーんといいます)」の声に一瞬ああいやだなーって思ってしまいます。

「だいじょうぶだいじょうぶさっきちゃんとみたから。」
これが私の答え。でもMさんは引き下がりません。
「そんでもかゆうていけんのよ」

確かにディサービスで入浴したし、オムツの中はピカピカきれい、皮膚もまったく問題ありません。
でもMさんは私を困らせようと言ったりする人ではありませんし、いくらお尻がぴかぴかきれいでも
かゆいと感じるのは本当なのでしょう。

ここで大丈夫と押し切っても私の心にMさんのたっての頼みを断ってしまったというとげがささってしまう。
お尻をお湯で洗うのは5-6分あればできます。
こういうとき私の心にいつも浮かぶのは抱っこして欲しいとワンワン泣いている小さな女の子の脇でかたくなに怖い顔をしているお母さんの姿です。
お母さんだってきっととても疲れているし、女の子は抱っこしなくても一人で十分歩けるのです。
でも今は抱っこして欲しい、それはちょっと見ただけですぐに分かります。

それでですね、私はちょっとだけため息をついて大きな声で言います。
「それならお尻を洗わないとね。お湯を持ってくるから待っててね」

でもこれで一件落着というわけではありません。
しばらくすると「足がうずきよるんよ。湿布貼ってください」
「ひようていけんのよ。上になにかかけてや」

不思議なことにお尻を洗った時点でその先の要求は割と素直に受け入れられます。
いくらなんでもして欲しいことそんなにはありませんから。
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