ニコチネルTTSは3種類の大きさがあり、一番大きい30を4週間、次の20を2週間、最後の10を2週間使用します。
写真で判るとおり、一番小さい10が8枚残っていますので、48日間ニコチネルを貼ることで禁煙できたということになります。
母の禁煙に関しては、主人も私の妹達も「絶対禁煙なんて出来ないと思う。」と意見が一致していました。
今になって考えると禁煙に成功したのは、ニコチネルを貼ることによってニコチン摂取願望が薄められたこと、それからSさんの優れた認知症懐柔策のおかげだと思います。
母が煙草を吸いたいと言うとき、「F子さんは肺気腫になってしまったから、絶対禁煙しないと駄目よ。呼吸困難になって酸素ボンベを引っ張って歩かないといけなくなるわよ」というのが私です。
ところがSさんは、「F子さん、ちょっと待っててね。今手が離せないから。」と言うだけなのです。
そして母は自分が煙草を吸おうと思って煙草を探していたことを忘れてしまいます。
で、しばらくすると母は煙草を吸いたくなって「煙草を吸いたいんだけど、煙草がないのよ。」とSさんに言います。
Sさんは、「F子さん、ちょっと待っててね。今手が離せないから。」と言い続けます。
たったこれだけです。
私には母と同居して長い間、このことができませんでした。
母が正しくないことを言う度に、なぜ正しくないのか一生懸命説明しようとしました。
私がこんなに正しいことを言っているのにどうしてわかってくれないの。
母が禁煙プログラムを終了して(Sさんの提案で、残り8枚のパッチを残して)家に帰った後でも、禁煙させる方法は同じでした。
「F子さん、ちょっと待っててね。今手が離せないから。」と言うだけです。
又は、あちこち煙草を探している母を見ていて、何も言わないことです。
絶対に「F子さんは禁煙したのよ。もう何ヶ月も煙草なんて吸っていないじゃない。」等と言わないことです。
ニコチネルTTSは処方箋で購入して合計22960円でした。
母がニコチネルを使ったときは、処方箋は必要だけれど、費用は実費で、保険診療の適用にはなりませんでした。
購入は5月12日と26日ですが、6月1日から保険診療になったそうです。
注意しなければならないのは保険適用になるためには、厚生労働省が定めた「施設基準」に合致する医療機関だけにしか認められず、母の病院は認められていませんでした。
現在は、定期的に病院に通っていますが、指先で測る酸素濃度もとても良く、お薬もクリアナールを毎食後服用しているだけです。
そして煙草代の必要がなくなり、母の近くにいっても大嫌いな煙草のにおいがしなくなりました。
火事の心配もありません。
デイサービスやデイケアの喫煙所のことなんて母が禁煙するまで無関心でした。
ところが、Aデイケアは喫煙所は建物の外の目の届かない場所にあるのに、AZデイサービスは大広間のとても目立つ場所にあるのです。
いつも喫煙している人を見ていると言うのはF子さんにとってとても良くないことなので、ケアマネさんに頼んで喫煙所が建物の外の目立たない場所にあるデイサービスを探してもらい、変更しました。