認知症と時計の絵

クリスマスローズ

2006年12月07日 22:26

こちらにClock Drawing Testの説明があります。
Clock Drawing Testとは白い紙と鉛筆をわたして時計の絵を描いてもらうことにより、認知症の検出ができるというものです。


左側が母の絵、右側が姑の絵です。
HDS-Rテストは母が3年前に27点、姑は2年前に13点でした。

これらのテストだけだと母は正常のように見えます。

それでも母の記憶のなくなり方はばっさりなくなるという感じで、その部分を全く記憶していません。
たとえば昨日インフルエンザの予防接種に行ったとすると、姑に「昨日インフルエンザの予防接種に行きましたよね?」と問いかけると、「うん、行ったよ。」と言う返事が返ってきますが、母に問いかけても「行ってないわよ。」と言われてしまいます。

長女が来てくれても、なんだか誰か来てくれたような気がするのだけれど、誰が来てくれたのか、いつ来てくれたのか分からなくなっています。

今デイサービスから帰ってきたばかりなのに、その記憶がまったくありません。

週一回母と姑は同じデイサービスに通っています。(週3回別々のデイサービスに通ってます)

送迎のバスでご一緒するおじいさんから、昨夕電話がありました。近くの方だとは思っていたのですが、同じ分譲住宅のごく近くの方でした。

そのYさんのおはなしです。「私がバスから降りたとき、いつもは妻がむかえにでてくれるのですが、留守だったのです。お宅の二人のおばあちゃん達がとっても心配してくれたんですが、自分は鍵を持っていたので中に入ることが出来ました。しばらくすると妻が帰ってきたのでご心配かけたのですが、大丈夫でした。お二人によろしく伝えてください。お近くなのでこれからもよろしく。」という大変しっかりしたもっともなお話です。

母と姑に伝えると、姑の方は、「それは、よかったなぁ。そのおじいさんはいつもF子さんとぺちゃくちゃぺちゃくちゃ話しよるんよ。」
「ええ、そんな人知らないわ。」
「知らんことあるかい。ずーと話しよるやないの。」
「話したことなんてないですよ。」

母はとても我儘で自分勝手な人なので本当は知っているのに知らないふりをしているのかもしれないという部分はあるのですが、やはり母はたった今の記憶がなくなってしまっているのだと思います。

3年前に都内の病院で検査を勧められました。その結果です。

頭部のMRIの結果、左前頭葉に早期の梗塞もしくはtumorの疑い、両側側脳室後角周囲の慢性虚血性変化・脳梁膨大部の髄膜種(これはあまり心配ないようです)の疑いがあります。

脳血流シンチの結果両側前頭葉、両側側頭葉の軽度の血流低下が認められます。


梗塞や血流低下している部分に蓄えられるべき記憶が記憶されないのだと思います。

でも母は当意即妙の受け答えをしますし、皮肉やいやみを言うのが上手です。

洗濯物をたたんだり、とてもエレガントに食事することが出来るし、いつかデイサービスでおそばにかける海苔を母がそれはそれは細く針のように細く切ってくれたと感激のお手紙と実際に母が切った海苔をもらったこともあります。

母の頭の中がどうなっていても、治療することが出来ないのであれば、毎日気持ちよく過ごすお手伝いをすることしか思い浮かびません。

関連記事